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ドイツ語

ドイツ語

ドイツ語ってどんな言語?

英語のアルファベット26文字に「Ä / ä(アー・ウムラオト)」「Ö / ö(オー・ウムラオト)」「Ü / ü(ウー・ウムラオト)」「ß(エスツェット)」の4文字が加わった、計30文字を使って単語を綴ります。

発音やアクセントの法則がはっきりしているので、新しく目にする単語でも「スペルと音の関係に従って、綴りをそのまま読む」ことで正しく発音できます。

日本語 英語 ドイツ語 読み方
mouth Mund ムント
eye Auge アオゲ
nose Nase ナーゼ
foot Fuß フース

発音とアクセント

新しい英単語を覚える時、発音記号に登場する [ʌ] [æ] [u] [ʊ] のような記号を見て、それぞれの発音の区別に戸惑ったりしたことはないでしょうか?

ドイツ語の母音は英語よりはるかに少なく、ひとつひとつの単語をはっきりと発音するため、比較的聞き取りやすいです。多くの日本人が発音困難だと感じる [θ] [ð] の音(thankやthisに含まれる歯摩擦音)や、米国英語に頻繁に登場する [ɚ] の音(betterやheardに含まれるフックつきシュワー音)はドイツ語に登場しません。ドイツ語では、語末や音節末に来るr・erは軽い「ア [ɐ]」の音で発音します。

「バター」という単語の発音
米国英語 butter [ˈbʌṭɚ]
英国英語 butter [ˈbʌtə]
ドイツ語 Butter [ˈbʊtɐ]

次に来る単語と音を連結させるリエゾンやリンキング(far away [fάɚəˈweɪ] やneed you [níːdjʊ] のような読み方)もありませんので、おそらく英語よりも簡単に発音に馴染むことができると思います。

ドイツ語の語彙

「不安な気持ち」を表す英語の “angst“ は、ドイツ語の “Angst(不安)“ からの借用語です。「幼稚園」を表す “kindergarten“ は、ドイツの教育学者フリードリヒ・フレーベルによる造語 “Kindergarten(幼稚園)“ をそのまま用いています。

日本語でも、「ゲシュタルト崩壊」や「ドッペルゲンガー」などといった単語に、ドイツ語の単語がそのままの形で登場しています。また「シュレーディンガー」や「ディーゼル」、「レントゲン」「ガウス」など、ドイツ人の発明家や科学者の名前を目にする機会も多いのではないでしょうか。

こうした語彙の広がりからは、ドイツにおける様々な学問や発明品が、現在においても世界的に影響力をもっていることが窺われます。

ドイツ語学習の楽しみ

近年は、インターネット上で海外のSNSやニュース、動画などに気軽にアクセスできるようになりました。日本の出来事がドイツでどのように報じられているか、ドイツ語圏の人びとがそれに対してどのように反応しているか、またドイツで活躍しているスポーツ選手やアーティストがどのような言葉でインタビューに答えているかなども、ネットを通じて簡単に知ることができます。ドイツ語で情報収集ができるようになると、日本に暮らしながらでもヨーロッパ世界のことをより深く知るチャンスを得られるのです。

また、クラシック音楽に関心がある方は、楽典や楽譜の記述を読んだり、オペラ・歌曲の歌詞に接したりするなかで、ドイツ語が役立つ瞬間が必ず訪れます。「好きな作曲家」「好きな指揮者」などのランキングがドイツ語圏の出身者で埋め尽くされることもしばしばで、いまだに「音楽の国」のイメージは根強いと言えるでしょう。

ドイツ語は独特の硬さと音の強さを持つため、ベートーヴェン『交響曲第九番』の力強い合唱や、ヴァーグナー『ニーベルングの指輪』の壮大な世界観にぴったりと合っていますが、ファンタジー的な世界観のアニメやゲーム・漫画等でもドイツ語の単語がしばしば用いられています。一年間の学習を通じて、これまでに勉強してきた英語とはまた違った音の響きの世界を楽しんでもらえたらと思います。