第10回補足:レストランについて

第10回はレストランを予約するシーンでした。
レストランの個室を予約したい場合は、
我要包房。
Wǒ yào bāofáng.
と言えばよいでしょう。
レストランの個室は雅座yǎzuòと言います。
“包房”は部屋を貸し切りにするという意味です。
ちなみに“包车”bāochēと言えば、タクシーなど車をチャーターすることです。

レストランの個室を予約する場合には、最低でもこれくらい飲み食いしてくださいという決まりがあることがあります。これを“最低消费”
zuì dī xiāofèiと言います。例えば
最低消费为每桌588元
とあったら、1テーブルあたり最低588元飲み食いしなければならないことになります。

“酒水”jiǔshuǐ(アルコール飲料)など“饮料”yǐnliào(飲み物)はレストランにとって利幅の大きなものです。日本でも外からアルコール飲料を持ち込むと「持ち込み料」を取られることがありますが、中国語ではこういう「持ち込み料」のことを“开瓶费”kāi píng fèiと言います。文字通りの意味は「瓶を開ける費用」となります。

中国にも食べ放題のバイキング形式のレストランがあります。中国語ではバイキングのことを“自助餐”zìzhùcānと言います。日本でもこういうタイプのレストランに行くと「食べ残し厳禁!」とか「食べ残したら〜円いただきます」などの注意書きがありますが、中国でも“浪费罚款”làngfèi fákuǎnとか“剩菜剩饭,罚款×元”shèngcài shèngfàn, fákuǎn × yuánという注意書きがあったりします。
“浪费”は「むだに消費する」、
“罚款”は「罰金を取る」、
“剩菜”は「料理を残す」、
“剩饭”は「ご飯を残す」という意味です。
日本でも中国でもレストランと客の攻防戦は同じのようですね。
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7月第1週の更新について

大阪府立大学外国語学習ポッドキャストは原則として週1回水曜日に更新しています。
ただし、来週(2007年7月第1週)水曜日は、更新作業をしている大学院生が学会のセミナーに参加するため不在ですので、金曜日(7月6日)に更新する予定です。水曜日を外国語学習の日と決めて更新を待ってくださっている方(もしいらっしゃるのなら嬉しいですが)、どうも申しわけありません。
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第9回補足:中国の携帯電話

第9回のプリントでは中国語の電話会社と携帯電話会社のWebページを紹介しました。中国語で携帯電話のことは、“手机”shǒujīと言います。“机”は「機」の簡体字です。机のことではありません。

中国で売られている携帯電話の価格を見ると、高いなあと思われる方が多いと思います。これは中国が高いのではなくて、日本が安いのです。日本では携帯電話会社からの販売奨励金があるため携帯電話本体を原価以下で販売できます。しかし電話会社はどこかでその分を取り戻さねばなりません。その分は月々の電話代という形で回収しているのです。中国では携帯電話本体は本体としての値段、電話料金は電話料金という形になっているので、一見すると携帯電話本体の価格が高く見えるのです。

携帯電話には電話番号などを記録したSIMと呼ばれる部品が入っていますが、日本ではSIMはロックされていて1台の携帯電話と1つのSIMが固定した関係になっています。中国ではSIMはロックされていないことが普通です。例えば、地元ではAという携帯電話会社のSIMを入れ、出張に出かけた先ではBという電話会社のSIMを入れるということが可能です。そういう点からも上記のような販売方法がとられているのでしょう。

また日本ではすっかり影の薄くなった感のあるPHSですが、中国ではなかなか健闘しているようです。PHSのことは中国語で“小灵通”xiǎolíngtōngと言います。これは中国では携帯電話は電話をかけた人だけでなく、電話を受けた人にも電話料金がかかるのに対し、PHSは電話をかけた人しか料金がかからないからだそうです。
参考:「中国版PHS『小霊通』の普及とその成功秘話

以上なるべく正確を期して書いたつもりではありますが、私は中国経済の専門家ではありませんので、より正確で詳しい情報をお求めの方は以下のWebページが参考になると思います。
国立国会図書館テーマ別調べ方案内 中国の経済・産業について調べるには
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第9回補足:デポジット

第9回はホテルの部屋で国際電話をかけるシーンでした。中国のホテル全てがそうというわけではないですが、国際電話をかけるためには、先に“押金”yāJīn(保証金、デポジット)を払っておかなければならないホテルがあります。またチェックインの際にも、
你刷卡,还是付现金?
Nǐ shuākǎ, háishi fù xiànjīn?
(クレジットカードで払いますか、それとも現金で払いますか)
と尋ねられて、
刷卡。(クレジットカードで払います)
Shuākǎ
と答えると、クレジットカードを見せてくださいと言われ、
付现金。(現金で払います)
Fù xiànjīn.
と答えると、“押金”を払うように言われたりすることがあります。

なお、2006年度に配信したポッドキャスト教材『憶えておきたい100の表現 中国語版』にもホテルに関する文と電話に関する文を紹介していますので、見てみてください。85番から97番がそうです。

憶えておきたい100の表現 中国語版』は100個の文の配信は完了していて、現在iTunesを使って100個全部の音声をダウンロードできます。受信方法についてはこちらへ
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第10回まで配信

このポッドキャスト教材は全30回です。今日第10回を配信しましたから、やっと3分の1まで来たわけです。
第1回から第10回までについて、ご意見・ご感想・ご質問などがありましたら、コメントをお願いします。この記事の右下にある「comments」というリンクをクリックすると、コメントを入力する画面になります。

ポッドキャストを受信せずに直接このブログにいらした方、ぜひポッドキャスト教材もご利用ください。初級レベルの中国語旅行会話教材です。中国語の音声(日本語訳入り)とプリント(中国語+日本語訳+文法解説)をポッドキャストで無料で配信しています。
大阪府立大学中国語ポッドキャスト旅行会話編
ポッドキャストはインターネット放送の一種です。詳しくは以下のWebページをご参照下さい。
ポッドキャストとは?
大阪府立大学外国語学習ポッドキャストの受信方法
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第8回補足:名前の発音

第8回では名前を尋ねる、名前を名乗るというシーンが出てきます。教材では鈴木さんは自分の名前をLíngmùと中国の音で読んで名乗っています。

中国語を教えだした当時は何も考えずに学生さんにも自分の名前の中国語読みの練習をさせていたのですが、今では練習をする前に以下のように断ってから練習を始めています。

名前というのはアイデンティティの一部です。自分の名前をどう読むか、どう書くかは皆さん自身が決めて下さい。自分の名前を中国語の音で読み、簡体字で書くのもよいし、中国語を話す時も自分の名前は日本語で読み、日本語の漢字で書くのでもかまいません。ただ、中国の人は日本語を習っていれば別ですが、漢字で書かれた名前は中国語の音で読みますし、簡体字で皆さんの名前を書きます。コミュニケーションという観点から自分の名前を中国語で読んだらどうなるか、簡体字で書いたらどうなるかを知っておく必要がありますから、これから練習します。

実際、自分の名前を中国語の音で読んだり、簡体字で書くとあまりに印象が変わってしまい、自分の名前でないようだと違和感や拒否感を持つ学生さんが毎年いますので、無理強いは良くないと考えています。

私自身は中国語を話す時は中国語の音で自分の名前を読んでいます。清原Qīngyuánという中国語の音が気に入っていることもありますし、Kiyoharaのkiの音が普通话pǔtōnghuà(中国語の共通語)の中にはないということもあります。

なお自分の名前を日本語の音で読んで欲しい時は
请叫我~。
Qǐng jiào wǒ ~.
(私を〜と呼んでください)
と言えばよいでしょう。

それから、日本人の女性の名前にはひらがなで書くものがありますが、ひらがなのままでは日本語を知らない中国の人には読めませんから、漢字を当てることになります。その時の方法は2つあります。

(1)そのひらがなの名前を漢字で書いたらどうなるか考え、その漢字を中国語読みする。
(例)みどり → 緑 →绿

(2)中国語の漢字音を使って音訳して漢字を当てる。
(例)みどり → 美多丽Měiduōlì
#但し、この方法で全てが音訳できるわけではありません。どうしても音訳しにくい日本語の音はあります。
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第7回補足:教材の中のリンク、中国のホテル

毎回ではありませんが、ポッドキャストで配信しているプリント教材(PDF)の中に、教材内容と関連のある参考Webページへのリンクを作ってあります。

PDFの良いところは、紙の再現を意図したフォーマットで印刷に向くことと、そしてWebページへのリンクを貼れるなどデジタルデータならではの良さもあります。それを生かさない手はないと思って、Webページへのリンクを作っているのですが、これがなかなかたいへんです。

教材の著者は個人ですが、大学教員という肩書きを持っていること、そして教材名の中に大学名が入っていますから、なるべく公的な性格を持つところを探して紹介するように気をつけています。それでもリンク先の内容が100%正しいと保証することはできませんので、その点はどうぞご了承くださいますように。

ただ第7回については、悩んだ末に一企業のサイトを紹介しました。中国のホテルのWebページがどんなものか見ていただきたかったですし、宿泊料の相場も紹介したかったのです。

教材に出てきた北京饭店は北京の王府井という、日本で言えば銀座に当たるような繁華街の入り口に建っている老舗ホテルです。
携程旅行网はネットで中国のホテルの予約ができるサイトです。こういったネットを通じたホテル予約サービスは他にもありますが、とりあえず1つだけ紹介しました。
ただ紹介した企業のサービスの利用を推奨するわけでも、そのサービスの質を保証できるわけでもありませんので、教材に書いてあるような注意書きを書いたわけです。

中国のホテルには星によるランク付けがあります。最高ランクは五星级wǔ xīngjí(5つ星)です。初めて中国に行かれるのでしたら、そうですね、最低でも三星级sān xīngjí(3つ星)以上のところをお勧めします。ただ、三星级だと英語や日本語のできる従業員はいない可能性が高いので、学んできた中国語を実践する機会ととらえて頑張るもよし、また少しでも不安であれば四星级sì xīngjí(4つ星)以上になさるとよいでしょう。4つ星以上なら日本語はだめでも英語が話せる従業員はたぶんいるだろうと思います。その分お値段も高くなりますが。

そんな時に役立つ中国語を紹介しておきましょう。
这儿有会说日语的人吗?
Zhèr yǒu huì shuō Rìyǔ de rén ma?
(ここに日本語を話せる人はいますか)
这儿有会说英语的人吗?
Zhèr yǒu huì shuō Yīngyǔ de rén ma?
(ここに英語を話せる人はいますか)

中国経済の発展に伴い、ビジネスで移動する人々も増えています。私は泊まったことはありませんが、日本でも出張族におなじみのビジネスホテルが中国でもできてきていて、チェーン展開もしているそうです。
柳田洋『中国ビジネスのすすめ』第586回「中国のビジネスホテル」
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