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誤り制御符号を用いた情報システムのモデル

例 2.2 (誤り検出符号の例)   3ビットの情報に対して, 1の個数が偶数なら0, 奇数なら1を4ビット目に加えて, 4ビットの信号をつくると, この符号は1ビットの誤りを検出できる.

情報 符号語 情報 符号語
000 0000 100 1001
001 0011 101 1010
010 0101 110 1100
011 0110 111 1111
例えば, 符号語の0101を送信して, 1ビット目にエラーが起きた場合, 受信語は1101となり, 左の3ビットに含まれる1は偶数個なのに, 4ビット目が 1であるからおかしい, ということからエラーを検出する仕組みだ. ただし, どの個所にエラーが起きたかまでは受信側には分からない.

例 2.3 (原始的な誤り訂正符号)  

2元対称通信路において, 1ビットの情報を3回ずつ繰り返して送ることを考える. これは以下のような符号化を考えていることに等しい.

情報 符号語
0 000
1 111
この符号は1ビットの誤りを訂正できる. もし, 000に誤りが生じて010とでもなったとしよう. このとき, 010を受け取った受信側は, 正しい符号は000であると考えるのがもっともらしいと思うだろう. なぜなら, たとえば1ビットの誤り確率がp=10-2であるとするとき, 111から010に誤る確率は(1-p)p2で約10-4だが, 000から010に誤る確率は(1-p)2pで約10-2で, こちらの方がはるかに起こりやすいからである.

考察 2.4   例[*]の符号では2つ以上のエラーには対応できない. どうしてか考えてみよう.



Mitsuru Kawazoe
2001-11-14