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機能による分類

どういった種類の誤りを対象とするか, 検出した誤りにどう対処するか(検出にとどめるのか, 訂正まで行うのか, 訂正する場合にはどうやって行うのか), といったことでいろいろな種類に分かれる.

誤り検出や誤り訂正のできることを, まとめて誤り制御符号という. とくに機能を区別する場合には, 誤り検出だけできる符号を誤り検出符号, 誤りを検出した上で更に訂正までできる符号を誤り訂正符号(error correcting code)という [*].

誤り制御符号を用いた通信システムの作り方には, 誤りが検出されたときどう対処するかの違いによって, 大まかにいって次の3つがある.

FEC(forward error correction) 符号の能力で訂正
ARQ(automatic recovery quotient) データ再送を要求
誤り修正 他の正常なデータからの推測
それぞれに長所・短所があり, 通信システムの性質に応じて使い分けられる. 例えば, コンピュータのデータなどの読み取りにはFECが使われるし, また, ARQの例としては, 前に述べたバーコード等がある(これは, 読み取りミスが起こると, ピッと警告音を発する. すると, レジの人がもう一回機械に読ませるのである). 誤り修正に関しては, AV機器などの特別な用途にのみ有効である. コンピュータのプログラムなどのデータの転送には使えない方法だが, 音声や画像などは, ごく一部のデータに誤りがあるいは欠落があったとしても, 周りの平均値をとってデータを補完するなどしてやれば十分だからである.



Mitsuru Kawazoe
2001-11-14