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拡大体上の符号とバースト誤り

q=2mとし, q個の元からなる体${\bf F}_q$を考える. この${\bf F}_q$${\bf F}_2$上の m次元ベクトル空間であるから,

\begin{displaymath}{\bf F}_q\cong{\bf F}_2^m \end{displaymath}

なる同型がある. この同型を$\psi$とでもしておこう.

さて, この${\bf F}_q$の元を用いた, q元符号を考えてみよう. ${\bf F}_q$の元は同型射$\psi$を通して, ${\bf F}_2$の元m個のブロックに対 応する. ここで, 1バイト=mビットの通信で, バイト誤りあるいはバースト誤り に対応することを考えた場合, ${\bf F}_2$上の符号を考えるならば, 1バイトの バイト誤りに対する誤り訂正を行うためには, d>2mでなければならないが, ${\bf F}_q$上の符号ならば, 単一誤り訂正可能な符号でよい.

今までは, 0,1からなる体${\bf F}_2$上の符号を考えてきたが, このように ${\bf F}_2$の拡大体上の符号を考えることによって, さらに強力な符号の構成が容 易になるという利点がある.



Mitsuru Kawazoe
2001-11-14