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Reed-Solomon code の一般化に向けて

Reed-Solomon code で符号長に限界があるのは, ${\bf P}^1({\bf F}_q)-\infty$の点の数, すなわち $\sharp {\bf F}_q$が少ないからである. ${\bf P}^1$${\bf F}_q$-有理点の個数が少ないということに集約される. そこで, 『${\bf F}_q$-有理点』をたくさん持っていて, 『有理関数』なるものが定義できるような何らかの幾何学的対象物を考えれば符号長の長い, よい符号が作れるのではないだろうかと考えられる.

${\bf F}_q$で考えていてはこれ以上点は増やせないから, 点をベクトルにして, ${\bf F}_q^l$の部分集合Sで, その上に有理関数が定義できるような幾何学的対象物を考え, Sの点での有理関数の値を並べることにすれば, $\sharp S$が大きいとき, 符号長の長い符号が作れるのではないだろうか? ( ${\bf F}_q^l$なら, 最大ql個の点を得ることができる. これはかなり見込みがあるといえるのではないだろうか?)

このような発想に基づいて登場するのが, 代数曲線を用いた代数幾何符号である. ${\bf P}^1({\bf F}_q)$は射影直線と呼ばれ, 要するに直線のことだから, これを曲がった線にして考えてみましょうということである.

まだ何も定義していないから, 今こんなことを述べてもしょうがないが, 実際, ${\bf P}^1$ を一般の代数曲線Cにして考えると, C${\bf F}_q$-有理点の個数はCをうまく選べばたくさんあるので, 符号長が伸ばせるのである.

1.
代数曲線とは?
2.
代数曲線上の有理点とは?
3.
代数曲線上の有理関数とは?



Mitsuru Kawazoe
2001-11-14