Mac OS X付属の中国語入力ソフト

以下の記述は主にMac OS X(10.3)によります
簡体字

繁体字

付録:他社の中国語入力ソフト

Mac OS X 10.4Tigerの中国語入力に関するメモ

 

簡体字中国語の入力(Simplified Chinese)

中国の次世代文字コードであるGB18030に対応し入力できる漢字が大幅に増えました。但し、拡張された部分の文字を入力するにはアプリケーションソフト側がUnicodeに対応している必要があります。

なお、MacOS9のChinese LanguageKitに付属する簡体中文に見られたJISキーボードの問題は、解決されています。
とMac OS X 10.2.4の時点では書いたのですが、10.3.2になったらまたこの問題がゾンビのように復活しています。
Mac OS X 10.4 Tigerではどうやらこの問題は解決しているようです。

入力ソフトを選ぶ

入力メニューから「簡体中文(Simplified Chinese)」を選びます。
いちいちクリックして選ぶのが面倒くさければ、コマンドキー(リンゴマークのキー)+スペースバーで、入力言語が順繰りに変わっていきます。
Mac OS X 10.3Pantherからショートカットが変更されました。全ての入力ソフトを順番に切り替えていくのは、コマンドキー+Optionキー+スペースバーです。
従来のコマンドキー+スペースバーは、一番最近に使った二つの入力ソフトの間で交互に切り替えを行います。

「簡体中文(Simplified Chinese)」には「五笔画(Wubi Hua)」「五笔型(Wubi Xing)」「ABC标准(ITABC Standard)」といった入力方法が用意されていますが、pinyinで入力する場合には「ABC标准(ITABC Standard)」を使います。日本語入力との変換操作の違いさえ気にならなければ、変換効率も良く十分使える入力方法です。
入力方法は鉛筆メニューから選びます。
Mac OS X 10.3Pantherからは鉛筆メニューがなくなり、入力メニューの下部に従来の鉛筆メニューに表示されていた項目があります。中国語入力に関する各項目は英語で表示されます。


入力の仕方

  1. 句読点の手前まで一気にpinyinを入力します。声調は入れません。
    (例)woshiribenren
  2. スペースバーを押して変換します。
  3. 単語の区切りがおかしい場合は、「deleteキー」を押して単語の区切りを修正し、スペースバーを押して再変換します。


入力のTips


単語登録の仕方

  1. 10.2以前は鉛筆メニューから、10.3以降は入力メニューから「用户词典(Edit User Dictionary)」を選ぶ。
  2. 「输入新词」のコーナーに登録したい単語を中国語で入力する。
    (例)清原
  3. 「输入编码」のコーナーに、その単語を入力する時に使うアルファベットまたは数字を入れる。アルファベットも数字も半角のみ可、全部で9文以内。
    (例)qingyuan
  4. 「添加」ボタンをクリック。
  5. 「结束」ボタンをクリック。

登録した単語を入力するにはABC标准または五笔画を使います。
自分が定義したアルファベットまたは数字の頭にuを付けて入力し、スペースバーで変換します。
(例)uqingyuan


標点符号の入力

,。?!()などキーボードの刻印からすぐ入力方法がわかるものは省きました。
使用しているキーボードはJISキーボードで、且つJISキーボードが正しく認識されている場合です。入力方法はABC標準(ITABStandard)です。

入力したい文字
入力の仕方
、(頓号)
Shift+@(Mac OS X 10.2まで)
¥(Mac OS X 10.3以降)
“ または ”
(引号)
Shift+2
開きと閉じは自動変換
‘ または ’
(引号)
Shift+7
開きと閉じは自動変換
─(破折号)
……(省略号)
・(間隔号)
10.2以前は鉛筆メニューから、
10.3以降は入力メニューから
「羅馬(Roman)」に切り替えて@
《 》
(書名号)

《 は、Shift+<
 》は、Shift+>
あるいは、
10.2以前は鉛筆メニューから、
10.3以降は入力メニューから
「区位(Quwei)」に切り替えてから、
《 は0122
 》は0123
と入力してスペースバーを押す。

入力方法を罗马(Roman)などABC标准(ITABStandard)以外のものに切り替えると、Option+Shift+.(ピリオド)で標点符号の候補一覧ウィンドウを開き、その中から選択するこができます。入力方法がABC标准のままだと、標点符号の候補一覧ウィンドウを開くことができません。


JISキーボードが正しく認識されず、USキーボードと認識されている場合は、キーボードの刻印と実際に入力されるものが一致しまん。以下に主な一致しない記号の入力の仕方を挙げます。MaOS X 10.3.2、入力方法はITABC Standardです。

入力したい文字
入力方法
(
Shift + 9
)
Shift + 0
Shift + ;
“ または ”
Shift + :
*
Shift + 8
Shift + ^
10.2以前は鉛筆メニューから、
10.3以降は入力メニューから
「羅馬(Roman)」に切り替えて、
Shift + 2
Shift + 2
Shift + 3
Shift + 5
……
Shift + 6


繁体字中国語の入力(Traditional Chinese)

Mac OXはまだ新しいOSのため、ちょっとしたバージョンの違いで機能が変わってしまうことがあります。中国語繁体字入力に関しては10.2.3以前10.2.4以降では大きな違いがあります。

Mac OS X10.2.3以前

MacOSXの10.2.3までは、機能的にはMacOS9のChinese LanguagKitの繁体中文と変わっていません。またJISキーボードの問題も解決していまん。

入力方法

入力メニューから「繁体中文」を選びます。
いちいちクリックして選ぶのが面倒くさければ、コマンドキー(リンゴマークのキー)+スペースバーで、入力言語が順繰りに変わっていきます。

「繁体中文」には「蒼頡」「大易」「簡易」「注音」「拼音」などの入力方法が用意されていますが、pinyin入力する場合、実質的には単漢字入力です。

入力方法は鉛筆メニューから選びます。

さらに鉛筆メニューで「聯想」にチェックをつけてください。これによって1字入力すると、自動的にその字に続く確率の高い字が候補として示され、くらか入力効率が上がります。例えば「電」を入力すると、自動的に「力」「子」などが候補としてあがるようになります。

1文字分pinyinを打ち込みます。声調はなくてもかまいませんが、声調を付けると候補を絞ることができます。
声調をつける場合は、アルファベットキーの上段にある数字キーでも10キーの数字キーでもかまいません(MacOS9では10キーの数字キーしかだめでた)。

スペースバーを押すと変換候補が現れます。候補番号を押して必要な字を選ぶと、自動的に次に来る字の候補が示されます。示された候補の中に自分のちたい字がなければ、新たにpinyinを入力します。

聯想機能による次の文字の候補の表示をキャンセルしたい時は、escキーを押します。

üはuで代用します。(例)女 nu


Mac OS X10.2.4以降

MacOSXの10.2.4では新しい繁体字入力ソフト「漢音(Hanin)」が加わりました。従来のものより大幅に変換効率が向上してます10.2.3から10.2.4へわずか0.0.1分のUpdateですが、中国語を扱う人間にとっては重要なUpdateです。

またJISキーボード問題もこのUpdateで解決しました。
とMac OS 10.2.4の時点では書いたのですが、10.3.2になったらまたこの問題がゾンビのように復活しています。

Updateはアップルメニュー→環境設定→SoftwarUpdateで行います。当たり前ですがインターネットに接続している状態で行います。Updaterは40MBほどあります。

Update直後は「漢音」が有効になっていません。「漢音」を有効にし、pinyinで繁体字を入力する設定は以下のようにします。変更した設を有効にするには再起動が必要です。

  1. 入力メニューを繁体中文(Traditional Chinese)にする。
  2. 鉛筆メニューから「偏好設定」を選ぶ。
    Mac OS X 10.3 Pantherからは鉛筆メニューはなく、入力メニューの下部から「Preferences」を選ぶ。
  3. 入力効率を上げるため「基本設定」タブで「聯想」にチェックをつける。
    繁体字は画数が多いため、「選字窗設置」でフォントのサイズを大きくしておくと見やすい。
  4. 「輸入法管理」タブで「漢音」にチェックをつける。この変更は再起動後に有効になる。
  5. 「輸入法管理」タブで「注音設定」を「羅馬」にする。
  6. 「輸入法管理」タブで「顕示設定」を「羅馬字母」にする。
  7. 「詞典管理」タブでは専門用語辞書を最高4つまで指定できる。
  8. 設定ウィンドウを閉じる
  9. Macを再起動する。

入力方法

  1. 1文字ずつ入力します。入力の仕方は拼音のアルファベット+声調、軽声は0と入力します。
    (例)天 tian1、またはtian(1声に限り声調無しでもよい)
    (例)女 nv3(üはvで代用)
    (例)的 de0
  2. 1字ずつスペースバーを押して変換します。
    意中の文字が出てこなかった場合はもう一度スペースバーを押せば他の候補が出てきますが、連想機能をONにしていると第一候補が間違っていても次に続け字を入力すれば、前後のつながりを見て正しい字に自動的に変換しなおされていきますので、句読点までどんどん入力していってください。
  3. 句読点まで入力まで入力した後、変換間違いがあれば←キーを使ってその場所までカーソルを移動させ、スペースバーを押して再変換します。


標点符号

,。?!()などキーボードの刻印からすぐ入力方法がわかるものは省きました。
使用しているキーボードはJISキーボードで、且つJISキーボードが正しく認識されている場合です。入力方法は漢音(Hanin)です。

入力したい文字
入力の仕方
、(頓号)
Shift+7
または
,(コンマ)を入力してスペースバーで変換
“  ”
(引号)
“(開き)はShift+2
”(閉じ)はShift+2を入力してスペースバーで変換
‘  ’
(引号)
‘(開き)はShift+7
 ’(閉じ)はShift+7を入力してスペースバーで変換
…(省略号)
.(ピリオド)を入力してスペースバーで変換
・(間隔号)
.(ピリオド)を入力してスペースバーで変換
《 〈 『 「
(Mac OS X 10.2まで)
[ を入力してスペースバーで変換
》 〉 』 」
(Mac OS X 10.2まで)
 ]を入力してスペースバーで変換
《 〈 
(Mac OS X 10.3以降)
Shift+<を入力してスペースバーで変換
》 〉
(Mac OS X 10.3以降)
Shift+>を入力してスペースバーで変換
『 「
(Mac OS X 10.3以降)
[ を入力してスペースバーで変換
』 」
(Mac OS X 10.3以降)
 ]を入力してスペースバーで変換
Option+Shift+.(ピリオド)で標点符号の候補一覧ウィンドウを開き、その中から選ぶこともできます。


JISキーボードが正しく認識されず、USキーボードと認識されている場合は、キーボードの刻印と実際に入力されるものが一致しまん。以下に主な一致しない記号の入力の仕方を挙げます。MaOS X 10.3.2、入力方法はHaninです。

入力したい文字
入力方法
(
Shift + 9
)
Shift + 0
:
Shift + ;
「 または 『
@で入力、
スペースバーで変換。
」 または 』
[ で入力、
スペースバーで変換。
*
Shift + 8
Shift + ;
Shift + ^
Shift + 2
“ または ”
Shift + :で入力、
スペースバーで変換。
記号一覧
 ]を入力して、
スペースバーで変換。


付録:その他の中国語入力ソフト

PanALEXというサードパーティー製の中国語入力ソフトが発売されているようですが、私は使ったことがありません。詳しくはUniDoSystemへ。


Mac OS X 10.4 Tigerの中国語入力に関するメモ

上記の記述はMac OS X 10.3Pantherに基づくものですが、2005年4月末にMac OS X 10.4Tigerが出ました。以前のバージョンに比べ、中国語入力に関して若干の変更があります。


2005年5月8日

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