簡体字と繁体字との間の変換は単にフォントの指定でできるわけではありません。なぜなら簡体字と繁体字では文字コードが異なるからです。簡体字は簡 体字中国語、繁体字は繁体字中国語です。簡体字と繁体字の変換には変換用のソフトが必要です。
Mac OS9付属のChinese Language Kitをインストールすると、文字コード変換用ソフトChinese Text Converterが自動的に「ユーティリティフォルダ」にインストールされます。
変換元になるテキストファイルを用意します。ワープロ独自の保存形式のファイルや、複数の文字コードが混在するファイルもだめです。
Chinese Text Converterを起動します。
ファイルを選ぶウィンドウが出てきますので、変換元ファイルを選んで、開くをクリックします。
簡体字から繁体字に変換するのなら、Convert SC to
TCをクリックします。
繁体字から簡体字に変換するのなら、Convert TC to
SCをクリックします。
変換元のファイルと同じところに変換後のファイルができています。
ファイル名は「変換前のファイル名(SC)」または「変換前のファイル名(TC)」になってます。
簡体字から繁体字に変換する場合、気をつけなければならないことがあります。複数の字が1文字の簡体字に統合されている場合、どの字に変換するかは 当然文脈によるわけですが、その判断はChinese Text Converterにはできません。
例えば、「云」(云・雲)「谷」(谷・穀)などの字です。「云」は、一律に「云」に変換してしまいますので、「雲」の字になるべき部分は、あとで人 間が修正してやる必要があります。
実はこのChinese Text Converterは簡体字<->繁体字の変換だけではなく、いろいろな文字コードの変換ができます。「Select other text encodings」の前にある三角形をクリックすると、他の文字コードを選ぶための画面が現れます。
変換元の文字コード(From:)と、変換後の文字コード(To:)を選び、Convertボタンをクリックします。
アプリケーション→ユーティリティ(Utilities)→Asia Text
Extrasの中にあります。
MacOS9に付属するものより機能が増えています。
簡体字の文章を繁体字に変換した場合、上記のように繁体字の複数の字が1文字の簡体字に統合されているという問題があります。
Mac OS X版のChinese Text
Converterでは変換後にテキスト編集画面が表示され、複数の変換のあり得る字に赤の下線が引かれます。赤の下線の部分をクリックすると変換の候補
が表示され、その中から文意に沿った正しい字を選ぶことができます。
中国語のプリントを作るとき、pinyinをいちいち打つのはたいへんじゃないですか?
以下のようなお助けツールがあります。
この簡体字中国語2pinyinを使って、アルファベット+数字ではなく、マキエンタープライズ社のpinyinフォント(声
調符号付き)に変換するテーブルを立教大学の谷野典之氏が作っておられます。
月刊しにか別冊 『コンピュータで中国語』 (大修館書店)
の付属CD-ROMに簡体字中国語2pinyinとともに収められています。
2003年1月17日