セミナー「ICTを活用した外国語教育—中国語教育を中心に—」

セミナー「ICTを活用した外国語教育—中国語教育を中心に—」開催概要

日時: 2015年10月30日(金)13:00〜15:00(12:30開場)

場所:中央大学多摩キャンパス文学部3号館3451号室(第2PC教室)(東京都八王子市東中野742-1)

対象:外国語教育に携わっていらっしゃる方、あるいは外国語教員を目指している方。(中央大学の関係者以外も参加可)

定員:30名(要事前申込み、先着順)
当日参加者:17名

参加費:無料

講師:清原文代(大阪府立大学高等教育推進機構)

主催者:遠藤雅裕(中央大学法学部教授)
協力:中央大学人文社会学科中国言語文化専攻

本セミナーはJSPS科研費26370680の助成を受けたものです。

プログラム

12:30 開場
13:00〜13:10 趣旨説明
13:10〜13:50 Quizlet:音が出てテストもできる単語カード作成サービス
13:50〜14:00 休憩
14:00〜15:00 下記の「お品書き」から参加者の希望に基づいて時間の許す限りWebサイトやアプリ等を紹介

「お品書き」(一部抜粋版、完全版は当日配布しました)

項目が多いため、時間の関係で全てをデモンストレーションすることはできませんので、当日はリクエストの多いものから順にやっていきました。

  1. 予習復習(単語学習):
    【お悩み】単語学習の最初の段階(音声・文字・意味を一致させる)まで授業中でやっていると授業時間がいくらあっても足りません。
    【“宅女”の提案】テストもできる合成音声付き単語カードを無料で作成できるサービスQuizletを利用してみるのはどうでしょう?
  2. 予習復習(文法学習):
    【お悩み】授業では学生と教員がいるからこそできるインタラクティブな活動を増やしたいですが、かと言って文法を説明しないわけにはいきません。
    【“宅女”の提案】無料で使用できる既存のWeb教材の文法説明を予習復習の課題として使用してみて、それでも足りない時は自作も考えてみてはどうでしょう?ShowMeはiPad一台で無料で板書と音声が同期した動画教材を作り、Webに公開できるサービスです。
  3. 予習復習の成果を確認:
    【お悩み】学生に予習復習を課しても耳を貸してくれません!
    【“宅女”の提案】選択問題や空欄補充の練習問題を作成できる無料ソフトを使って問題を作り、授業の最初に予習復習の成果を確認してみるのは如何でしょう?
    HotPotatoes
    CasualTranscriber
  4. 教材提示:
    【お悩み】学生に「教科書のCDを聞いて来なさい」と言ったら、「下宿生なんでCDプレーヤー持っていません」とか、「教科書を見ながら操作するのが面倒くさい」とか言います。
    【“宅女”の提案】スマートフォンやタブレットでテキストと音声を一画面で提示する方法があります。例えば、iPhone・iPad用のYubiquitous Text(無料)は如何ですか?
  5. 発音練習(音声入力):
    【お悩み】全員で発音練習をすると全く口を開かない学生がいます。一対一で発音を指導していると他の学生が時間を持てあまします。
    【“宅女”の提案】高校生以上なら多くの学生がスマートフォンを持っています。スマートフォンの音声入力を使ってみるのはどうでしょう?教員が一対一で発音指導している間、他の学生はスマートフォンの音声入力で練習します。自分の声がすぐに文字になって返ってくるという反応があり、うまく入力できた時には母語話者向けの音声入力に成功したという達成感が得られます。
  6. 発音練習(TTS:合成音声による読み上げ):
    【お悩み】学生に自己紹介を暗誦させたいのですが、一人一人異なる内容の何十人分もの模範音声をわたし一人で録音するのはちょっと無理です。
    【“宅女”の提案】人間の声と全く同じというわけにはいきませんが、iPhoneやiPadに合成音声で文章を読み上げさせてみてはどうでしょう?
  7. 教室活動(成果物の作成):
    【お悩み】学校側から学生にタブレットが支給されましたが、授業中にとりあえず何をさせていいのか悩んでいます。タブレットで遊ばれたらと思うと不安です。
    【“宅女”の提案】授業中に時間制限を設けて学習の成果を表す作品をタブレットで作らせてみては如何でしょう?タブレットを使うとテキスト+音声+画像+動画が一体になった作品を作ることができます。例えば、ロイロノートスクール(有料)は元々小中学校の調べ学習のための動画編集アプリなので、操作が簡単ですが、表現力は高く、大人の成果物の作成に十分使用できます。また、Book Creator(有料)はテキスト、音声、画像、動画を含む電子書籍を作ることができます。

事前アンケートで希望があった項目

  1. 東京外国語大学言語モジュール(セミナーで説明)
  2. NHKゴガク「英語発音練習くん&中国語声調確認くん」(セミナーで説明)
  3. StarQuiz(セミナーで説明)
  4. ShowMe(セミナーで説明)
  5. Casual Transciber(セミナーで説明)
  6. 神谷健一・清原文代「中国語自習ツール」(時間切れで説明できず)
  7. 樋口拓弥「Yubiquitous Text」(時間切れで説明できず)
  8. Seesaw(時間切れで説明できず)
  9. HotPotatoes(時間切れで説明できず)
  10. iPhone・iPadのアクセシビリティ機能による読み上げ(時間切れで説明できず)
    iOS9の場合:設定→一般→アクセシビリティ→スピーチ→選択項目の読み上げ Webページ、メモに記入したテキスト、メールの文字を選択して読み上げることができる。読み上げる際の言語選択はiOSが自動で行う。

当日使用した資料

当日使用した資料のPDFです。ライセンスはCreative Commons License 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 (CC BY-NC-ND 4.0)です。
セミナー「ICTを活用した外国語教育—中国語教育を中心に—」資料(URLリンク付きPDF)

関連する資料

本セミナーは、2016年1月8日の大谷大学における講演「ICTを活用した外国語学習—中国語学習とスマートフォンを中心に—」と相補い合う部分があります。
そちらも資料(URLリンク付きPDF)を公開しておりますので、ご参照ください。