中国語の参考書

初級〜中級者向けに、日本語で読める中国語の参考書を紹介します。

中国語とはどんな言語なのか?

相原茂『はじめての中国語』 講談社現代新書 1990年

木村英樹『中国語はじめの一歩』 ちくま新書 1996年

中川正之『はじめての人の中国語』 くろしお出版 1996年

中国語を学ぶために

相原茂編著『中国語学習ハンドブック改訂版』 大修館書店 1996年
発音・語彙・文法・参考書目・中国の社会状況・文学史など中国語を学ぶために必要な知識をコンパクトにまとめてある一冊。手元に置きたい1冊。
相原茂・木村英樹・杉村博文・中川正之『中国語入門Q&A』 大修館書店 1987年
相原茂・木村英樹・杉村博文・中川正之『中国語学習Q&A』 大修館書店 1991年
相原茂・荒川清秀・喜多山幸子・玄宜青・佐藤進・楊凱栄『中国語教室Q&A』 大修館書店 2000年
この3冊は中国語を学ぶ日本語話者が必ず疑問に思うことを1項目数ページのQ&A式で解説したシリーズ。あなたの疑問の答えもきっとこの中にあるはず。
2003年には『中国語入門Q&A』の新版が出た。

文法書

劉月華ほか著 相原茂監訳『現代中国語文法総覧』上下 くろしお出版 1988年
中国語を母語とする人にとっては説明のいらないことでも、中国語を学ぶ外国人にとっては説明が必要だということを念頭において書かれている文法書。大部な本なので巻末の索引で自分のわからない項目から調べてみるとよい。
なお原著である《实用现代汉语语法》(商务印书馆)は2003年に増訂版が出版された。
中山時子ほか『新しい中国語語法』 東方書店 1988年
『現代中国語文法総覧』と同じ文法体系を採用している。説明はそんなに詳しくないので、ざっと概観するのに使うのに便利。
杉村博文『中国語文法教室』 大修館書店 1994年
文法書の多くが品詞や文型別に書かれているが、読み通すのはなかなかたいへん。『中国語文法教室』は、具体例を取り上げながら、その文に使われている文法事項を説明していくというスタイルを取っているため、比較的読みやすい。初級文法を終えた人がさらにワンステップ進むためにお勧め。
相原茂・石田知子・戸沼市子『WHY?にこたえるはじめての中国語の文法書』 同学社 1996年
説明だけでなく、実際に練習問題を解きながら文法を学んでいくスタイル。 練習問題の解答もついているので自習ができる。
荒川清秀『一歩すすんだ中国語文法』 大修館書店 2003年
動詞を中心として中国語文法を解説。一通り初級文法が終わった人が更に磨きをかけるために。
馬真著 鳥井克之編訳『マーチェン 簡明実用中国語文法』  駿河台出版社 1997年
文の構造を詳しく解析。訳すときに個々の単語の日本語訳をつなぎ合わせるだけで、結局文の構造が見えていない人にお勧め。
守屋宏則『やさしくくわしい中国語文法の基礎』 東方書店 1995年
文法と聞くと頭が痛くなる人に、文字通りやさしい文法書。

お勧め教科書

古川裕『チャイニーズ・プライマー(改訂版)』 東方書店 2001年
元々は大阪外国語大学の中国語専攻生のために書かれた教科書。『チャイニーズ・プライマー』をマスターすれば中国語文法の基礎は万全。CD付き。
北京語言学院編『実用漢語課本 日本語版』1・2 東方書店 1991年
外国人に対する中国語教育で定評のある北京語言学院(現在は北京語言大学と改称)編纂の教科書。近年の中国の変化は非常に速く、編纂されてから時間が経っているため、課文に些か時代遅れの表現が目に付くが、この教科書の文法解説は初級者に対する過不足のない説明という点で大いに参考になる。
『実用漢語課本』1・2をパソコン教材化した『ハイパー中国語』が東方書店から発売されている。
邱質朴著 平田昌司編訳说什么怎么说(改訂版)』 朋友書店 1993年
その場面にふさわしい表現、自分の意図を的確に示す表現を学ぶための教科書。上級者向け。この教科書がマスターできれば、なんとなく意味は通じているみたいだが、自然ではない中国語から脱却できる。
市瀬智紀・程艶春『中国語ヒアリングマスター』 三修社 2001年
付属CDで聞き取りをしながら場面別の会話を学ぶという形式になっている。初級を一通り終わった人が復習を兼ねて使うとよいだろう。聞き取り問題の解答と会話文の日本語訳が巻末についており、自習することができる。
基本単語の音声と辞書引きソフトが入ったCD付き。
相原茂・徐甲申『新編実用漢語課本』 東方書店 2004年
対外中国語教育を指導する中国の政府機関との日中共同プロジェクトによる教科書。お茶の水女子大学での2年間の試用を経て出版された。
日中学院教材研究チーム学汉语 白帝社 2005年
中国語教育に定評のある日中学院の社会人コース向けの教材。社会人は学生と違って自分のお金で仕事の合間をぬって授業に来る。お金と時間を「コスト」としてはっきり認識している分、教材に対する要求も厳しいことが予想される。粗製濫造の教科書が多い中、序によればこの教科書は5年かけて制作している。
木村英樹・宮本徹『中国語入門I('05)』『中国語入門II('05)』 放送大学教育振興会  2005年
放送大学の教材で、2冊で1年分。テレビ放送で授業を受けるため教員と学生がその場で練習することができず、講義が中心ということのためか、文法事項をしっかり解説してあり、文法の参考書としても使える。

語彙

相原茂・荒川清秀・大川完三郎・杉村博文編『中国語類義語のニュアンス』  東方書店 1995年
相原茂・荒川清秀・大川完三郎・杉村博文編『どうちがう?類義語のニュアンス2』  東方書店 2000年
きれいはきれいでも「漂亮」と「好看」はどう違う?中日辞典の訳語からだけでは見えない似た意味の言葉の使い分けを解説。
呂叔湘主編・菱沼透訳『中国語文法用例辞典』 東方書店 2003年
定評のある《现代汉语八百词》(商务印书馆)の増訂版の日本語版。副詞・助詞・助動詞がきちんとわかってこそ、中国語の理解は進む!できれば原著の中国語版の方も使って欲しい。
相原茂編『中国語基本単語1400』 東方書店 2000年
品詞別に分類した上で、さらに自然連想配列法で単語を並べており、記憶しやすいよう工夫がされている。単語、例文とも日本語訳がついている。日本語の漢字の意味から類推しておぼえやすい単語かどうかの表示や、発音が似ていて聞き間違えやすい単語に関する表示もある。単語と例文を録音したCD付き。中国語の資格を取りたい人の受験対策に使える。
朝日中国文化学院編『中国語基本語3000』 三省堂 1998年
HSK(漢語水平考試)甲級・乙級の語彙3000語とその訳語、及び例文が収められている。配列はアルファベット順。単語を録音したCD付き。この3000語をマスターすれば、一般の会話や文章に使われる語彙の約8割をカバーする。中国語の資格を取りたい人の受験対策に使える。
武柏索ほか『中国語慣用句型500』 中華書店 1994年
不但〜,而且〜」など複文の前後で呼応して使う表現を集めたもの。中級以上の人に。

その他

相原茂『謎解き中国語文法』 講談社現代新書 1997年
中国語文法のおもしろさに目覚めたいあなたに送る1冊。
来思平・相原茂『日本人の中国語誤用例54例』 東方書店 1993年
日本語を母語とする人が中国語作文をするときの典型的間違いを、それがどうして間違いなのかを詳しく解説。

2005年6月9日

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