初年次ゼミナール

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初年次ゼミとは?

A)初年次ゼミナールの目的

高校までの学校と大学では、何が違うのでしょうか。大学は、教育機関であるだけでなく、研究機関でもあります。教育は教師が生徒に教えるだけでも一応成立しますが、研究にはそのような受け身の学習を超えるもの、自発的な学習態度が不可欠です。大学で学ぶためには、研究者を目ざす人も、そうでない人も、教えてもらうという受動的な学びから、みずから学ぶという能動的な学びに変える必要があるのです。初年次ゼミナールは、そのような学びの転換をスムースに行なえる機会を提供することを目的にしています。

B)大学で学ぶことの意義

大学に入学する理由としては、研究者になるためと考える人もいれば、さまざまな職種への就職を考えている人もいるでしょう。いずれにしても、そのためには、さまざまな能力や態度を身につける必要があります。自発的・能動的に学ぶ能力と態度は、そういった能力や態度の根幹であり、大学を卒業したあとでも貴重な財産となるものです。

C)いかにして能動的学習を身につけるか

初年次ゼミナールやその他の機会を通じて、能動的な学習に役立つ経験がえられるはずです。一つには、ほかの学生や教員との交流を通じて、同じことでも視点や見方の違いによって違った側面や問題が見えてくるということに気づくことが大事なことです。複数の視点をもつことは、自分で考えることができるようになるための第一歩なのです。

また、知的な欲求は誰でも持っているものですが、ともすれば見失いがちになります。さまざまな課題に取り組むさいに、自分のその欲求に気づくことは、能動的な学びの原動力となることでしょう。

いくら知的好奇心が強くても、問題を考えたり必要な情報を調べたりするためのやり方を無視しては、学習や研究の十分な成果はえられません。研究には手法があることを、大学では学ぶことができます。

調べたり考えたりしたことの結果を、ほかの人に伝えることも、学習や研究のために有用なことです。ただ考えるだけでなく、表現することによって、その意義も問題点も考えやすくなるのです。

考えてえられた結論や、調べてえられた結果は、最終的な解答でも唯一の解答でもないかもしれません。しかしそれを、さまざまな視点を用いながら自分で再検討できるようになっているなら、能動的な学びがかなり身についたと言えるでしょう。