専門基礎科目

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生物学

生物学では生物の分類や生態など個体、集団といったマクロレベルの生物学とともに、細胞レベルあるいは分子レベルでの生命現象を追求する分子細胞生物学を学ぶことが重要です。専門基礎・生物学では下記の科目を開講しています。

 

専門基礎科目・生物学

  • 生物学A,B 生物学I,II
  • 生物学実験
  • 生物・化学入門

 

近年、バイオテクノロジー、ゲノムプロジェクト、再生医療、生物多様性、地球温暖化など、生物学に関係するニュースに接する機会が多い状況下で生物学の基礎を学んでおくことは重要です。学際的な領域については教養科目やゼミナールなどでも学べるようにしています。

 

専任教員 加藤幹男 宮本健助 田中良晴 小林康一

 

生物学I, II (生命環境科学域・自然科学類の1年次学生が対象)

自然科学類の学生は受講するクラス(1組、2組)が指定されますので、学類・課程の履修指導に従ってください。

授業概要:ある分子生物学者は、「大腸菌で正しいことは象でも正しい」ということばを残しました。ひとつひとつの細胞のなかでは、生体分子はあらゆる生物種においてほぼ共通の原理で働いていますが、多細胞生物における組織や器官の働きや、それぞれの生物種における個体の形態や機能、および生物集団のレベルでは高い多様性を示します。生物学Ⅰ・Ⅱでは、まず、生物種を超えた普遍的なメカニズム、すなわち生体を構成する分子の働き、遺伝情報の複製と発現調節機構、およびエネルギー代謝系などについて、生化学的・分子生物学的側面からそれぞれ講義します。さらに、多細胞生物のもつ多様な構造と機能に関して、植物では環境との相互作用について環境刺激の受容と応答などを中心に、動物では恒常性に関わる神経系・内分泌系・免疫系を中心にその制御機構について講義します。また、生物集団における自然選択や適応度などの進化の概念に基づいて、種間関係が織りなす生態系の成り立ちや生物進化の仕組み等について講義します。これらを通して、生命現象をミクロな視点とマクロな視点の両側面から捉えてその統合的理解を目指します。さらに今日的話題としてクローンやiPSなどバイオテクノロジーに関する最近の知見について紹介し、平易に解説します。

 

生物学A, B                                   

授業概要:生物は分子・細胞レベルではほぼ同一の原理で生命活動を営んでいますが、器官、個体レベルでは実に多様な形態や機能を示します。生物学A・Bでは、生命誕生と地球環境の変化に伴う生物進化について概説し、分子・細胞レベルでの生物の統一性、すなわち生体物質の構造と機能、遺伝情報の複製と発現機構などを分子生物学的・生化学的側面からそれぞれ講義します。さらに、生物のもつ多様な構造と生理機能、そしてそれらの調節機構について、植物では環境との相互作用について環境刺激の受容と応答などを中心に、動物では恒常性に関わる神経系・内分泌系・免疫系、さらに今日的話題としてバイオ技術、クローンやiPSなど最近の知見を紹介しつつ平易に解説します。また、生命現象を理解する上では、種々の物理・化学的な計測・解析技術が必要です。生物学Bでは生物の基本的な働きを物理化学的な視点から理解し、さらには専門科目にも対応できる能力を修得するために、生体の力学的・電気的特性、生体構成成分の物理化学的特性、多様な生体物質の特異的測定法の原理と意義などについても講義します。

なお、授業内容、授業計画等は学域・学類により多少異なります。授業情報の詳細はホームページ上のシラバスを参照して下さい。

 

生物学実験

生命環境科学域の応用生命科学類では前期履修生と後期履修生を指示します。また、自然科学類の学生は、前期あるいは後期のいずれかの履修を選択することになります。学類・課程のオリエンテーションでの履修指導に注意して下さい。

授業概要:生物学に関係する基礎的テーマを選定し、実施します。生物学に関する実験に必要とされる基礎的技術を習得すると共に、実験結果のまとめ方やレポートの作成方法などについても学びます。光学顕微鏡の操作技術の習得に基づく細胞・組織レベルでの構造観察、解剖学実験に基づく組織・器官レベルでの形態観察、染色体を指標とした細胞分裂の解析、生化学実験、飼育・交配技術の習得に基づく遺伝現象の実験的解明、試料調製や無菌操作技術の習得に基づく微生物実験、パソコンによる生体機能計測法、動物実験による心臓循環系および神経筋系の統合的理解に関係する実験項目などを準備しています。

なお、授業内容、授業計画等は学域・学類により多少異なります。授業情報の詳細はホームページ上のシラバスを参照して下さい。

 

 

生物・化学入門                               

授業概要:本授業では我々の身の回りにあって、我々に影響を及ぼす生物学と化学に関する諸問題について触れます。具体的には、生命の起源・細胞の構造と分裂・遺伝子の発現・ホルモン、空気・水・オゾン層・地球温暖化・エネルギーなどの話題を取り上げて、持続可能な社会について学生と一緒に考えます。