専門基礎科目

topics

物理学

理系の学問を学ぶ上において、物理学は自然科学の基礎ですので十分に理解しておくことが重要です。専門基礎・物理学では下記の科目を開講しています。

 

専門基礎科目・物理学

  • 自然科学を学ぶ上で基礎となる古典物理学の内容を中心とした科目群

(物理学A、物理学AI,AII、物理学I,II、物理学B、物理学C、物理学演習、物理学実験)

  • 応用的な内容を含む科目群

(解析力学、基礎量子力学、基礎統計力学、応用物理実験)

 

専任教員 梅澤憲司 星野聡孝 川田博昭 福田浩昭

 

物理学A

授業概要:物理学の中でも、もっとも古くから体系を整えた力学の基礎法則であるニュートンの運動法則を理解し、そこにあらわれる力、運動量、角運動量、エネルギーなど物理学全体を貫く基礎概念の物理的意味を理解することを目標とします。

 

物理学AI, AII                                   

授業概要:力学は自然科学の中でもっとも基礎的な体系であり、現代工学における様々な基本概念を学ぶ上でも力学的視点は大切な要素のひとつとなっています。ニュートン力学の体系的学習を通じて、様々な運動の特徴を理解し、運動方程式や種々の保存則に基づく運動の解析方法に習熟することが目標です。物理学AⅠでは、ひとつの質点に対する力学を学習します。運動の記述法を整理した後、空気抵抗のある落下運動や、減衰振動、強制振動などの典型的な運動について、運動方程式の解法を習得し、運動の特徴を理解します。また、運動方程式から力学的エネルギー保存則や、中心力場のもとでの角運動量保存則が導かれることを理解し、保存則に基づく運動の解析方法についても学びます。物理学AⅡでは、複数の質点らなる系、および剛体に対する力学を扱います。質点集団の運動を考える上では、重心運動と質点個々の相対運動を分離することが有効です。その視点から、重心・相対運動に関する運動方程式を導出し、外力と内力の役割を整理します。また運動エネルギー、運動量、角運動量などの物理量についてもその視点から整理し、集団運動の特徴を理解します。剛体系については、重心運動と回転運動を表す基礎方程式に基づいて、典型的な場合の運動を扱い、その特徴を理解します。

 

物理学B

授業概要:力学と並んで古典物理学の柱である電磁気学について講義します。古典力学においては物理的実体と見なされていなかった空間自身が、電気・磁気現象の本質を担う電場・磁場として捉えられること、そして電場・磁場がマクスウェル方程式と呼ばれる基本法則によって記述されることを説明し、その方程式の持つ意味を理解してもらいます。また、これらの法則から、導体や誘電体(絶縁体)といった物質の電気的・磁気的性質が、さらには(光を含む)電磁波の性質が理解できることを説明します。

 

物理学Ⅰ, II (生命環境科学域・自然科学類の1年次学生が対象)                        

自然科学類の学生は受講するクラス(1組、2組)が指定されますので、学類・課程の履修指導に従ってください。

授業概要:物理学Ⅰ、Ⅱを通して、物理学だけでなく化学や生物学においても重要な、古典物理学の基礎を学んでもらいます。物理学Ⅰでは、身近な力学現象を通して、ニュートン力学の概念を理解してもらいます。物理現象を数学の言葉で表現するための基礎的な力を養い、物理学全体を貫く基礎概念(エネルギー・運動量・角運動量とこれらの保存則など)を習得してもらいます。また、物理学Ⅱでは、電磁気学を取り上げ、電磁気学で中心となる静電場と静磁場の概念、および電場・磁場の振る舞いを記述するマクスウェル方程式の物理的な意味を理解してもらいます。

 

物理学実験

授業概要:(1)実験を通して物理現象に触れ自然科学の基本法則と構造を理解します。(2)物理量を測定することで実験装置に慣れ、実験技術を向上させます。(3)得られた実験値の適切なる処理、その吟味、評価、考察に基づいて第3者に伝えるための報告書作成方法を身につけます。以上が主な授業目標となります。

 

物理学C

授業概要:熱力学において重要な熱・温度・エントロピー・自由エネルギー等の基礎概念を学習することによって、熱現象の可逆変化・不可逆変化、さらに相転移などの基本的な熱現象が熱力学の基本法則が理解できるようにします。エンタルピー・エントロピーや自由エネルギーの概念が理解されると熱力学的変化が進む方向がわかります。また、相転移現象や気体分子運動論についても解説します。

 

物理学演習

授業概要:「物理学AI」「物理学AⅡ」「物理学B」の内容に関する演習を行います。力学(特に古典力学)・電磁気学の基礎的および応用的な問題を解くことによって、講義で得られた理解をさらに深めるとともに応用力を養います。また、数学的にやや高度な内容を含む問題にも取り組むことにより、物理学的応用力とともに数学的表現・解析能力の向上を図ります。

 

応用物理実験

授業概要:ここでは、複合的かつ応用的な物理学実験を実施します。特に、パソコンを用いた計測・制御・データ処理を体験することにより、高度な物理学実験に対応できる能力を養います。

 

解析力学

授業概要:ニュートン力学とは異なる定式化である、ラグランジュ形式やハミルトン形式の力学について学びます。ラグランジュ形式は拘束条件の扱いを含め、力学現象の定式化を容易にするという観点で広い実用性があります。ハミルトン形式は量子力学や統計力学の学習において必要不可欠な定式化ですので重要です。

 

基礎量子力学

授業概要:現代物理学の重要な柱のひとつである量子力学の基礎について学びます。まずは、量子力学誕生の背景として、空洞放射とエネルギー量子の発見、光電効果と光量子仮説、ボーアの理論、物質波仮説などについて学習します。後半では、量子力学の基礎方程式であるシュレディンガー方程式の導出と基本的な系に対する解法、また、エネルギー準位や確率解釈、不確定性原理などの基礎的概念について学習します。これらの学習により、各専門分野につながる量子力学の基本事項を習得することができます。

 

基礎統計力学

授業概要:現代物理学の重要な柱のひとつである統計力学の基礎(気体分子運動論、マクスウェルの速度分布則、古典調和振動子系、格子比熱など)について学びます。さらに、量子理想系の取り扱いと格子比熱における量子効果についても学習します。これらの知識により、小正準集団、分配関数などの統計力学の基礎的概念が理解され、系の状態量を統計力学の方法によって計算することができるようになります。また、熱力学の諸概念をミクロな視点から捉え直すことにより、熱力学に対する理解も深まります。