第8回補足:名前の発音

第8回では名前を尋ねる、名前を名乗るというシーンが出てきます。教材では鈴木さんは自分の名前をLíngmùと中国の音で読んで名乗っています。

中国語を教えだした当時は何も考えずに学生さんにも自分の名前の中国語読みの練習をさせていたのですが、今では練習をする前に以下のように断ってから練習を始めています。

名前というのはアイデンティティの一部です。自分の名前をどう読むか、どう書くかは皆さん自身が決めて下さい。自分の名前を中国語の音で読み、簡体字で書くのもよいし、中国語を話す時も自分の名前は日本語で読み、日本語の漢字で書くのでもかまいません。ただ、中国の人は日本語を習っていれば別ですが、漢字で書かれた名前は中国語の音で読みますし、簡体字で皆さんの名前を書きます。コミュニケーションという観点から自分の名前を中国語で読んだらどうなるか、簡体字で書いたらどうなるかを知っておく必要がありますから、これから練習します。

実際、自分の名前を中国語の音で読んだり、簡体字で書くとあまりに印象が変わってしまい、自分の名前でないようだと違和感や拒否感を持つ学生さんが毎年いますので、無理強いは良くないと考えています。

私自身は中国語を話す時は中国語の音で自分の名前を読んでいます。清原Qīngyuánという中国語の音が気に入っていることもありますし、Kiyoharaのkiの音が普通话pǔtōnghuà(中国語の共通語)の中にはないということもあります。

なお自分の名前を日本語の音で読んで欲しい時は
请叫我~。
Qǐng jiào wǒ ~.
(私を〜と呼んでください)
と言えばよいでしょう。

それから、日本人の女性の名前にはひらがなで書くものがありますが、ひらがなのままでは日本語を知らない中国の人には読めませんから、漢字を当てることになります。その時の方法は2つあります。

(1)そのひらがなの名前を漢字で書いたらどうなるか考え、その漢字を中国語読みする。
(例)みどり → 緑 →绿

(2)中国語の漢字音を使って音訳して漢字を当てる。
(例)みどり → 美多丽Měiduōlì
#但し、この方法で全てが音訳できるわけではありません。どうしても音訳しにくい日本語の音はあります。
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第7回補足:教材の中のリンク、中国のホテル

毎回ではありませんが、ポッドキャストで配信しているプリント教材(PDF)の中に、教材内容と関連のある参考Webページへのリンクを作ってあります。

PDFの良いところは、紙の再現を意図したフォーマットで印刷に向くことと、そしてWebページへのリンクを貼れるなどデジタルデータならではの良さもあります。それを生かさない手はないと思って、Webページへのリンクを作っているのですが、これがなかなかたいへんです。

教材の著者は個人ですが、大学教員という肩書きを持っていること、そして教材名の中に大学名が入っていますから、なるべく公的な性格を持つところを探して紹介するように気をつけています。それでもリンク先の内容が100%正しいと保証することはできませんので、その点はどうぞご了承くださいますように。

ただ第7回については、悩んだ末に一企業のサイトを紹介しました。中国のホテルのWebページがどんなものか見ていただきたかったですし、宿泊料の相場も紹介したかったのです。

教材に出てきた北京饭店は北京の王府井という、日本で言えば銀座に当たるような繁華街の入り口に建っている老舗ホテルです。
携程旅行网はネットで中国のホテルの予約ができるサイトです。こういったネットを通じたホテル予約サービスは他にもありますが、とりあえず1つだけ紹介しました。
ただ紹介した企業のサービスの利用を推奨するわけでも、そのサービスの質を保証できるわけでもありませんので、教材に書いてあるような注意書きを書いたわけです。

中国のホテルには星によるランク付けがあります。最高ランクは五星级wǔ xīngjí(5つ星)です。初めて中国に行かれるのでしたら、そうですね、最低でも三星级sān xīngjí(3つ星)以上のところをお勧めします。ただ、三星级だと英語や日本語のできる従業員はいない可能性が高いので、学んできた中国語を実践する機会ととらえて頑張るもよし、また少しでも不安であれば四星级sì xīngjí(4つ星)以上になさるとよいでしょう。4つ星以上なら日本語はだめでも英語が話せる従業員はたぶんいるだろうと思います。その分お値段も高くなりますが。

そんな時に役立つ中国語を紹介しておきましょう。
这儿有会说日语的人吗?
Zhèr yǒu huì shuō Rìyǔ de rén ma?
(ここに日本語を話せる人はいますか)
这儿有会说英语的人吗?
Zhèr yǒu huì shuō Yīngyǔ de rén ma?
(ここに英語を話せる人はいますか)

中国経済の発展に伴い、ビジネスで移動する人々も増えています。私は泊まったことはありませんが、日本でも出張族におなじみのビジネスホテルが中国でもできてきていて、チェーン展開もしているそうです。
柳田洋『中国ビジネスのすすめ』第586回「中国のビジネスホテル」
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